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​令和4年10月の研修報告です。​今月は「ホームヘルパーの心構えと基本マナー」の研修を行いました☻

ホームヘルパーの心構えと基本マナー

①まずは利用者の気持ちを理解することが大事

 介護サービスの利用者と一言でいっても、その人が生きてきた人生も今の生活状況も様々です。気持ちはしっかりしているのに病気や老化で体が思うように行動できなくなった人もいれば、逆に体はある程度動いても精神的に病んでしまったり、社会的に孤立してしまって不安を抱えている人もいます。

 介護職員(ホームヘルパー)としての役目は決して全てを「やってあげる」ことではありません。利用者一人一人の生活上の悩みや不安を軽減し、自分で出来ることはなるべくという思いから、自己の存在を否定する「疎外感」をもっている利用者です。この場合は、心のどこかで家族の一員として役に立ちたい、という思いをもっていることが多いので、簡単なことでも何かその人にできることを手伝ってもらったり、利用者と介護職員(ホームヘルパー)が共感できることや利用者が興味を示すような話題をしたりして、「共に過ごす空間」を大切し、「喪失感」を感じる利用者や、親しい友人が減ることで「孤独感」を感じる利用者です。これによって「生きる力がわかない」という無気力の状態になりがちです。病気や障害のように表に出てこない内面のケアもできるよう、よく相手の話を聞き、行動を見守るようにしましょう。

 次に、老化に対する寂しさや心細さ、「不安感」を感じる利用者です。これは長年バリバリ働いてきたサラリーマンなどによく見られる傾向です。会社を退職した途端に社会的に孤独を感じたり、親しい人との交流が減って家に引きこもってしまうケースもあります。そうした人が持つ尊厳やプライドを十分尊重し、外交的な行動に移せるような援助方法を考えることが重要です。

 このように、利用者の気持ちを理解するためには、まずは「聞き上手」になることが必要です。そして利用者の話や気持ちに対しての批判などは絶対せずに、彼らの行動の意味を理解する努力をしましょう。そして相手の立場で共感しつつ、心のケアと同時に活動をサポートすることが大切であると思います。

 ②利用者との接し方

​ 介護職員(ホームヘルパー)として利用者とよりよい関係を保つにはどうしたらいいでしょうか。利用者であるお年寄りは、長い歳月を生きてきた歴史や人生経験を持ち、介護職員からすればいわば「人生の先輩」です。日々接する中で、その先輩の話を謙虚に聞きましょう。仕事をしながらではなく、なるべく「話を聞く時間」をもうけ、利用者のそばに寄り添うという姿勢で耳を傾けます。またゆっくり話す利用者に対して

先を急ぐようなことは避けましょう。話す内容や言葉が分かりにくい場合もありますが、そのような時も適当に受け流すなど、あいまいな態度はとらないようにしましょう。「伝えたのに分かっていない」などと後からクレームがくることもあるからです。そのようにして利用者の話を聞き、その人の歩んできた人生を知ることで、その利用者自身の強い面や弱い面、また得意なことや不得意なことを理解することができます。それを日々のサービスの中に生かす努力をすることで、利用者と介護職員の強い信頼関係を築くことができるのです。

 また、介護を受けている利用者といえども自尊心を持っている人は少なからずいます。下手に子供に話しかけるような言葉遣いをしたり、親近感をもたせるつもりで気安い言葉遣いになったり、また無意識に「おじいちゃん」「おばあちゃん」などと呼びかけてはいけません。そのような言葉遣いをされることによって、「下に見られている」というイメージを持ち不快になる利用者もいます。利用者本人や家族からの希望でない限り、きちんと「○○さん」と名字で呼びましょう。

 利用者の中には、「あれをしてくれ」「これをしてくれ」と要求を次から次へと言ってくる人もいますが、たいていの利用者はなかなか自分からは遠慮して言い出せないでいます。そうした場合に、ヘルパーの方から具体的に質問をしたり、何も言わなくても利用者の表情や態度から気持ちを読み取るような気配りが大切です。

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