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​★令和4年3月 研修報告★

​令和4年3月の研修報告です。

​今月は「接遇とマナーについて」の研修を行いました☻

​接待とマナーについて
​「プロ意識」を持って接遇・マナーを実践することの意味

介護業界も日々、新しいサービス、質の高いサービスが生み出されています。利用者の満足度向上、地域の利用者を呼び込める事業所になるためには、計画的に教育訓練を実施し、継続的に従業者の能力を高めていく必要があります。

専門学校や大学卒業後に介護業界で働き始めた人や再就職で働きだした主婦層が多いため、マナーや接遇教育をきちんと学ぶチャンスがないまま業務に就いているのが現状です。

​そこで、個人を尊重し、個人の価値観にあったサービスを提供できる介護従事者になるためには「プロ意識」をもって接遇・マナーを実践することが大切です。

​〇利用者・家族が求める「プロ」としての接遇マナー

​平成23年版「東京都における介護サービスの苦情相談白書」によると苦情内容別では、「サービスの質」345件、「従業者の態度」344件、「管理者等の対応」287件となっています。利用者が、サービスの質や、ヘルパーの態度について充分満足しているとはいえません。ヘルパーという職業は、対人関係を基本としているため接客業でありサービス業であるという自覚が必要なのです。しかし、接遇やマナーに関して、自分たちが提供するサービスにどの程度のものが要求されているのかというのは考えておく必要があります。つまり、接客対応、接遇マナーを磨くということは、要領やスキルを身につけるだけでは、自己満足な応対となってしまうばかりでなく、利用者にとっては不愉快な応対となってしまうことがあります。「お客様の心理」を理解して、利用者や家族に喜ばれる優しさと思いやりのある接遇へと磨きをかけていかなければなりません。

まず、訪問時間や援助時間に関しては「時間の厳守」が全てにおける基本ですので、利用者の信頼を得るための第一歩といえます。そして、気持ちのよい挨拶とおじぎ(明るく・笑顔で・はっきりと・心をこめて)。これは訪問時の挨拶だけではなく、帰り際にも、何かひとこと相手を思いやる声かけをしていただきたいのです。武道などでは、挨拶に始まり、挨拶に終わる。と言いますが、訪問介護にも同じことが言えます。始めと終わりをきちんと行うことにより、利用者に与える印象が格段に良くなります。

また、適切な言葉遣い、言葉遣いには日頃の生活や心がけ、気配りなども映し出されます。親しさと馴れ馴れしさの違いを意識しなければなりません。「おじいちゃん、おばあちゃん」などという呼び方はご家族にとっては決して感じの良いものではありません。利用者は人生においての先輩であることがほとんどです。敬意をもって接します。また、ヘルパーにとっては励ましのつもりがプレッシャーになることもあります。無意識のうちに相手を傷つけてしまう一言。頑張って、頑張りましょう、はついつい掛けてしまう言葉ですが咄嗟の一言には十分配慮が必要です。幼児言葉はもっての外です。

<言葉遣いのポイント>

1.聴き手が聴き取りやすいように、ゆっくりと明瞭に伝える

2.分かりやすく簡潔に、理解できてるか確認しながら伝える

3.語尾に注意する。省略したり、語尾を上げたり、伸ばしたりしない

4.馴れ馴れしすぎたり、丁寧すぎたりしない

5.専門用語はなるべく使わない

​訪問ヘルパーの服装や身だしなみは、利用者が受けとる印象も様々です。しかし、サービスの提供をさせていただくという目的を考えてみれば、行動がし易いといった基本に忠実な身だしなみの徹底は不可欠です。介護するために、動きやすく機能的なものとして、ポロシャツや、トレーナーなどを着ています。このポロシャツやトレーナーは、普段仕事のないときも着ているので、つい普段着感覚で、仕事でも着こなしてしまうことがあります。ちょっとヨレヨレになっても着続けたり、また、通勤のときには、事業所の名前の入ったポロシャツを着ているのですが、日中の仕事で汚れがついたまま、帰り道にスーパーに立ち寄っているなど考えれば、その服装は誰のためであるかを、今一度事業所において身だしなみへの規範を標準化して共通認識をすすめる必要があります。身だしなみはその人の仕事の姿勢や能力を表面化した重要なことです。第一印象が大切なことはいうまでもありません。

また、介護の現場においては、ヘルパーが行わなければならない業務はあまりにも多く、限られた時間内で効率よくこなさなければならないため、介護現場ではどうしても「~してください」という言い方が多くなります。情報収集、もしくは指示を中心とした一方通行のコミュニケーションがとられがちです。しかし、コミュニケーションとは相互の情報交換によって成り立つものですから、一方的な情報のやり取りで成立するものではありません。また、このような一方通行のコミュニケーションを繰り返していると利用者との信頼関係をつくりあげることは困難になります。

プロとしての接遇・マナーを身につけるには、まず、基礎となる「体力」、次に「技」の習熟、そして「心」の育成と表現です。基本が定まらないので、その上が盤石であるはずがありません。

<コミュニケーションの基本的態度>

1.落ち着いた態度で接する

2.自分の姿勢に注意を向ける

3.自分の表情に注意を向ける

4.自分の目線に注意を向ける

5.自ら進んで声を掛ける

6.言葉遣いに気をつける

7.身だしなみに気をつける

8.約束を守る

<相手の話を聴く時のポイント>

1.相手の話は最後までよく聴き、話の全体を把握します。

2.話したい誘惑に負けずに、話を4つ聴いたら1つ話すつもりで。

3.相手の話を遮ったり、相手に対し批判的、忠告的または説教的な態度は避ける。

4.言葉だけでなく、言葉以外の表現を観察し、言葉の背後にある感情や目的、本当に伝えたい          

  ことを感じ取る。

5.相手の立場に立ち、需要と共感の心で聞く

​6.自分の言葉や態度にも注意を払い、うなずきや相づちを繰り返し、全身で相手の話を聴く。

​〇接遇やマナーも介護という仕事の一環だと捉える視点

ヘルパーにとって、利用者、家族へのマナーは仕事の一部、介護の一部である。マナーが、自分自身の尊厳や職業におけるプライドにとっても重要なことであると認識すればヘルパーは単に家事支援や身体面のケアをすることだけを求められているのではなく、利用者の心にも目を配り、支援することも同時に求められていることに気がつきます。介護技術が高度なものであっても、利用者の信頼を得ることができなければ、利用者にとって良いヘルパーにはなりえないですし、その関係を拒否されることもあり得ます。つまりヘルパーは利用者の信頼を獲得することが、介護において重要なポイントになるのです。

そのためには、ヘルパー側から積極的なコミュニケーションをとることが重要です。​言葉にできない部分を互いに理解しあうこと。ヘルパーの心の豊かさ、思いやり。これがコミュニケーションの最大の成果といえます。

​〇ホームヘルパーの接遇・マナーは矯正できるか?

​それには「プロ」としての意識付けが重要です。専門知識や技術は、教育でなんとかなるが、一度見についてしまった接遇のくせはなかなかなおらないものです。心構えとして日常での気付きの気持ちが大切です。仕事は人とのつながりによって成り立ちます。訪問介護においては、利用者宅へたった一人で出向いていき相手の環境の中で仕事をしなければならないわけですから、そのプレッシャーは相当な強制力として働きます。こういう環境の中で、段々と利用者の要求レベルに合わせて自分たちを矯正していくことができるのです。接遇やマナーは実践で鍛え、身につけていくしかありません。セミナーなどによる教育を継続的に行うのは大切なことですが、基礎知識の習得と動機づけに過ぎない場合も多く、やはり本人の変革への意識が最も重要です。

​〇「プロ」としての意識付けの難しさ

とりもなおさず意識して行動することであります。「問題意識」の感度を高めること、当たり前だと思われがちなマナーをもう一度しっかり見直し、信頼関係を築きあげられるような接遇を身につけましょう。プロ意識を持つと、立ち振る舞いも自ずと堂々としていきます。こういった態度は利用者に安心を与え、信頼を得られることにつながります。自信は、他者や身近な人に信用され、認められることによってもより一層深まっていきます。効果的な支援を行うためには、利用者を中心として、その人に合わせた介護をする必要があります。そのためには利用者の気持ちや希望、何よりも利用者自身のことを深く理解し、利用者の自尊心に配慮した介護をする必要があります。利用者と介護者は年齢差が大きく、生まれ育った時代背景も異なるため、意見の相違や受け取り方の違いが生じやすく、通常のコミュニケーションの場合よりもさらに注意深く、利用者の表情や身ぶり、態度にも意識を払わなければなりません。

介護の知識や技術を身につけているだけでは、不十分なのです。相手がまず何を望むのか、どのような生活をしてきたのか、何を大切と捉えているのか、まずは相手を知るために傾聴などを通して理解することが必要です。「自分のことを受け入れてもらいたい(受容)、誰かに認めてもらいたい(承認)、誰からも大事にされたい(重視)。」人間には人が安心して生活するための3つの基本的な欲求があり、コミュニケーションによって満たされます。コミュニケーションは言葉だけでなく、表情や視線、しぐさなどでも実に多くのメッセージを伝えています。言葉を用いたコミュニケーションを言語的コミュニケーションと言い、言葉以外のもの、表情や視線、しぐさなどを用いたコミュニケーションを非言語コミュニケーションと言います。利用者とのコミュニケーションの良否により、介護の質が左右されると言っても過言ではありません。

​〇「プロ意識」を持つことで接遇・マナーはどのように変わるか?

​信頼関係を築いた後でなければ現実的なアドバイスをしてもうまくいかないものです。ヘルパーが利用者に対して、コミュニケーションの基本態度をしっかりととることができた時、利用者は、ヘルパーを受け入れ、信頼し、安心して、相談することができるようになります。そして、ヘルパーも利用者と信頼関係で結ばれることにより、介護のストレスを軽減することができ、意欲を持って介護を継続することができるようになりますし、業務のみでなく「心のケア」にも目を向けていくことで、介護の質、利用者の生活の質が改善していきます。そうなることで、ヘルパーのモチベーションアップや職場のやる気、活気の向上にもつながります。

接遇の向上は人間力の向上につながります。接遇する側が利用者の外見や異性、年齢によって私情を挟み対応の態度を変えてはならないと言うことです。反対に組織の中のたった一人の行きとどかない接客が組織全体のイメージダウンに直結します。その結果、クレームの増加や利用者の減少など組織にとっても不都合が生じます。正しい接遇スキルを身につけること、今の接遇レベルをさらにあげることは対顧客のみならず自組織にとっても非常にメリットのあることなのです。

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