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☆平成30年8月研修報告☆

平成30年8月度 社内研修

身体介護の拡充について

 

訪問介護の身体介護には、排泄や入浴の介助、体位変換などと並んで「見守り的援助」がある。単に「やってあげる」のではなく、利用者の自立を後押しする観点から安全に配慮しつつ寄り添って「共に行う」支援を指す。お風呂から自分で出られるよう必要な時だけ手を差し伸べたり、移動の際に転ばないよう隣について歩いたりするサービスが該当する。
 
「身体介護として明記されていないものがあり、取り扱いが曖昧。明確化したい」
 
今回の介護報酬改定をめぐる議論のプロセスで、厚生労働省の担当者が表明した方針だ。身体介護と生活援助の内容を規定している通知、いわゆる「老計10号」の見直しに踏み切る意向を示し、関係者の合意を取り付けていた。

 

厚労省は年度末の3月30日、改正した「老計10号」を公表。都道府県の担当部局に通知し、介護保険最新情報のVol.637に掲載した。
 
その内容をみると、「見守り的援助」に該当する行為の例が8種類追加されている。従来は7種類だったため、これでトータル15種類まで増えた。その趣旨に重度化防止やIADL、QOLの向上が新たに位置付けられたこともポイント。これまでは「自立支援、ADLの向上」としか書かれていなかった。
 
改正後の「見守り的援助」に関する記載は以下の通り。新たに加わった項目だけ赤で表記した。厚労省は今回の通知で、訪問介護のサ責や居宅のケアマネへの周知を要請。「実際にサービスを提供する際には、個々人の身体状況や生活実態に即した取り扱いが求められる」と改めて指摘している。

 

立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)

 

○ ベッド上からポータブルトイレ等(いす)へ利用者が移乗する際に、転倒等の防止のため付き添い、必要に応じて介助を行う。
 
○ 認知症等の高齢者がリハビリパンツやパットの交換をする際に見守り・声かけを行うことにより、1人で出来るだけ交換し後始末が出来るように支援する。
 
○ 認知症等の高齢者に対して、ヘルパーが声かけと誘導で食事・水分摂取を支援する。
 
○ 入浴、更衣等の見守り(必要に応じて行う介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを含む)。
 
○ 移動時、転倒しないように側について歩く(介護は必要時だけで、事故がないように常に見守る)。
 
○ ベッドの出入り時など自立を促すための声かけ(声かけや見守り中心で必要な時だけ介助)。
 
○ 本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促す。
 
○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う掃除、整理整頓(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。
 
○ ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をしてゴミ出しのルールを理解してもらう、または思い出してもらうよう援助する。
 
○ 認知症の高齢者と一緒に冷蔵庫のなかの整理等を行うことにより、生活歴の喚起を促す。
 
○ 洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促すとともに、転倒予防等のための見守り・声かけを行う。
 
○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行うベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等。
 
○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う衣類の整理・被服の補修。
 
○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う調理、配膳、後片付け(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。
 
○ 車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助する。
 
○ 上記のほか、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うもの等であって、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行うことが、ADL・IADL・QOL向上の観点から、利用者の自立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置付けられたもの。

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