top of page
​★令和4年1月 研修報告★

​令和4年1月の研修報告です。

​今月は「ヒヤリハットについて」の研修を行いました☻

ヒヤリハットとは…

​重大な事故には繋がらなかったものの、事故に直結してもおかしくなかった事例の発見のことをいいます。実際に日々の介護現場では、思わず❝ヒヤリ❞としてしまう場面は多々あります。

介護現場での事故を未然に防ぐためには、十分な❝見守り❞が必要です。しかし現状では、1人のスタッフが複数人の利用者さんを同時に見守る場面も多く、注意が行き届かないことが多々あります。

そこで、全てのスタッフが同じレベルでそれぞれの利用者さんを見守り、そして安全を確保できるようにするために、場面ごとにヒヤリハット報告書で注意点を明確にします。

また、ヒヤリハットはヒヤリハットを防ぐためのものではありませんので、多くのヒヤリハットに気付く事が大切です。ヒヤリハット自体は事故ではありませんので、多くの発見で「事故に繋がる危険性」を見極めることができるといえるでしょう。

 

1.ヒヤリハットは個人個人で異なる

ヒヤリハットは、個々の「気付く力」によって見つけられるものですので、ヒヤリと感じる、ヒヤリとするレベルというのは一人一人違います。ですから、ヒヤリハットには基準というのはありません。自分が気付いたことをどんどんと書き出していきましょう。

個々が出したヒヤリハットをできる限り多く集めて、スタッフ同士で分析していくことで、問題点がはじめて洗い出されます。ここで、同時刻に同事例があるかどうかに目を向け、沢山あるなら対策が必要となるでしょう。

また、似たようなヒヤリハットが多く出ている、もしくは同じ事例が無くならないという場合には、その場に危険が潜んでいる可能性も考えなければなりません。教育やマニュアルの見直しが必要な場合も出てきます。

2.ヒヤリハット報告書の必要性とは?

​ヒヤリハット報告書は、あくまで利用者さん個別の記録を書いたうえで、余力があれば記録すれば良いのです。ただ、ヒヤリハット報告書を提出することが、利用者さん個人のリスクマネジメントに役立つということを憶えておいて下さい。

ヒヤリハット報告書には、発生日時や場所、「いつ・どこで・何があった」ということを分かり易い言葉で記入すると良いでしょう。

ヒヤリハット報告書には、様々なヒヤリハットの事例が記されています。その中から、一定期間のものをまとめて読み「皆がやりそうな事例」を洗い出し、「何故そのような状況になったのか」の原因を「いつ・どこで・どういう人」が「どのようなヒヤリハットに陥るか」を分析し、リスクを回避するためのシステム改善の必要性を具体的なものとして検討します。

​※ヒヤリハット報告書は、事故報告書よりも重要であるという声もあるほどです。

3.ハインリッヒの法則とは?

❝ハインリッヒの法則❞とは、アメリカの安全技師であるハインリッヒ氏が発表したもので、これはアメリカの労働災害を分析した結果に基づかれています。

「1件の重大な事故の背景には、29件の軽微な怪我を伴う災害があり、その背景に300件の無傷の災害がある」という統計結果を導き出したもので、介護保険施設などにおける事故も同様だとしています。

300件の怪我に至らない無傷の災害が❝ヒヤリハット❞ということになります。ということは、重大な事故を減らす(防ぐ)ためには、いかに軽易な事故を減らしていくか、そのためには❝ヒヤリハット❞に早期に気付くことが大切であると言えます。

4.ヒヤリハットへの間違えた考え方

ヒヤリハットとは、重大事故に直結してしてもおかしくない一歩手前での発見のことを言います。

<例>

・このままでは、利用者さんが転倒してしまうところだった

・服薬の薬を間違えて飲んでしまうところだった

などのように、してしまう前に気付いているのが❝ヒヤリハット❞です。

<間違えてる例>

・利用者さんが転倒してしまったが怪我はなかった

・服薬を間違えたが、その後の経過は特に異常はなかった

などのように、一瞬ヒヤリとしたが無事だったというのは、ただ単に「運が良かった」だけの話であり、❝ヒヤリハット❞ではありません。これは、起きてしまっているため、その後の経過がどうであろうと❝事故事例❞となります。

ヒヤリハット報告書は少なければ少ないほど良いものではないという事、細かな気付きが重要だという事を頭に入れながら、利用者さんを介護するようにしましょう。

bottom of page